揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
ひとしきり愛し合った後、私は彼の腕の中でまどろんでいた。
そんなに太くない彼の腕枕にも、最近やっと慣れてきた気がする。
「来週、修学旅行だから」
ぼんやりと2人で天井を見ていた時。
ふいに、大翔君がそう言った。
「そっか、そんな時期なんだ。京都・奈良だよね?」
彼の言葉に、5年前の自分を思い出していた。
1泊2日だけど、みんなでいろいろ見て回ったのが楽しかったっけ。
「あぁ。どうせ泊まりなら、由佳と2人の方がいいんだけどな」
あまり乗り気じゃない口調で、彼はそうボヤく。
普通の小学生だったら、みんなでワイワイ泊まったりする方が楽しいと思うんだけど。
「いつ行くの?」
「木曜だよ。お土産買ってくるから、浮気しないでちゃんと待ってて?」
そう言って優しく髪を撫でてくれる彼は、ホントに小学生なのかと疑うほど大人な感じで。
5つも上の私を、いつも子供扱いしてくる。
「浮気なんてしないから大丈夫だよ。それより……」
そう言いかけて、続きを言うのをためらった。
『それより、大翔の方が私は心配だよ?』
ホントは、そう言いたかったんだ。
だって、修学旅行なら水沢もいるし。
他にも彼を狙っている子がたくさんいる、って克也が言ってたし。
「『それより』、何?」
「……怒らない?」
「たぶんね」
普通こういう場合って、『怒らないよ』って言ってくれるんじゃないの?
そんなに太くない彼の腕枕にも、最近やっと慣れてきた気がする。
「来週、修学旅行だから」
ぼんやりと2人で天井を見ていた時。
ふいに、大翔君がそう言った。
「そっか、そんな時期なんだ。京都・奈良だよね?」
彼の言葉に、5年前の自分を思い出していた。
1泊2日だけど、みんなでいろいろ見て回ったのが楽しかったっけ。
「あぁ。どうせ泊まりなら、由佳と2人の方がいいんだけどな」
あまり乗り気じゃない口調で、彼はそうボヤく。
普通の小学生だったら、みんなでワイワイ泊まったりする方が楽しいと思うんだけど。
「いつ行くの?」
「木曜だよ。お土産買ってくるから、浮気しないでちゃんと待ってて?」
そう言って優しく髪を撫でてくれる彼は、ホントに小学生なのかと疑うほど大人な感じで。
5つも上の私を、いつも子供扱いしてくる。
「浮気なんてしないから大丈夫だよ。それより……」
そう言いかけて、続きを言うのをためらった。
『それより、大翔の方が私は心配だよ?』
ホントは、そう言いたかったんだ。
だって、修学旅行なら水沢もいるし。
他にも彼を狙っている子がたくさんいる、って克也が言ってたし。
「『それより』、何?」
「……怒らない?」
「たぶんね」
普通こういう場合って、『怒らないよ』って言ってくれるんじゃないの?