揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦

chapter21

結局、昨夜は先輩に家の近くまで送ってもらった。



いつのまにか9時を回ってしまっていて。

なかなか帰って来ない私を心配していた両親に、散々お説教をくらってしまった。


とりあえず、沙希とカラオケに行って盛り上がっちゃって…という事にしておいた。


まぁ、お父さん達が信じてるかどうかは分からないけど……。









「あれ?克は?」


朝、朝食の時間に下へ行くと。

いつもはあるはずの、克也の姿が無かった。


「今日から修学旅行でしょ?集合が早いから、もう行ったわよ」


お母さんに言われ、私はやっと思い出した。


大翔君が木曜日って言ってたっけ……。


そして次の瞬間。

彼の事を思い出してしまった私の胸は、チクリと刺す様な痛みを感じていた。


「今日は、ちゃんと時間見て帰ってらっしゃいよ?」


たしなめる様な言い方のお母さんに、「はーい」と小さく俯き加減に返事をして。

用意してもらったトーストとサラダを食べながら、ぼんやりと昨日の事を思い出していた。
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