揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
大翔君とまどかさんの事は、確かに今でも信じられない。

彼にとっての私が≪恋人≫ではないっていう事も、信じられない。


でも、私が大翔君を好きな気持ちに変わりはないから。


これから先、辛い事があるかもしれない。


悔しい事も。

悲しい事も。

虚しい事も。


だけど、私にとって一番辛いのは。

きっと、大翔君と一緒にいられない事だから。







学校に行く支度を済ませ、いつもと同じ時刻に家を出ようとした時だった。


玄関のドアを開けると……。

そこには、意外な人物の姿があった。


「諒斗……?」


黒のスポーツバッグを肩から掛け、ポケットに両手を突っ込んでいたアイツは。

驚いている私に、


「おせーよっ」


と、いきなり不機嫌そうに声を掛けて来た。


「何やってんの……?っていうか、部活は?」


普通だったら、諒斗はとっくに朝練の為に学校に行ってるはずで。

何でうちの前にいるのか、全く意味が分からない。


「サボリだよ。由佳に、話があったから」


そう言って、諒斗は駅に向かって1人で歩き出して。

よく分からないまま、私も慌てて後を追った。
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