揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「じゃあ、アイスミルクティーとアップルパイを2つずつよろしくね、諒斗君」


窓際の空いてる席に腰を下ろし、沙希は諒斗に向かってそう言った。

立ったままのアイツは、


「俺が買いに行くのかよ?で、金は?」


と言って鞄を私達の向かいの席に放り投げ、沙希に向かって手の平を差し出す。


「バカねぇ、男がおごるに決まってんでしょ?ほら、行った行った」


沙希に手でしっしっと追い払われ、諒斗は渋々レジへと1人向かって行った。


「私、お金出すよ?」


何か諒斗が可哀想で、私は慌てて鞄の中から財布を取り出そうとした。

だけど、


「あれぐらい、出させればいいの。あんたなんか襲われてんだから、もっとふんだくってやればいいのよっ」


と言う彼女に手で制され、申し訳ないながらも財布をもう一度しまった。


「それで?あのバカは、あんたにどんな話だったの?」


「えっ……?」


沙希にも弘登先輩との事を話さないといけないかと思うと、かなり気が重かった。

特に、沙希は先輩を目の敵にしてるし。
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