揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「実はね……」


そう口にしつつ、一体どこから話せばいいのかが分からない。


諒斗にもそうだったけど。

先輩との経緯を話すには、大翔君とまどかさんの事を話さないといけなくなる。


言っても…いいのだろうか?

あの、曲がった親子愛について。


私の…大好きな人の秘密について。


「へい、お待ち」


そうこうしている間に、トレイに商品を乗せた諒斗が戻って来た。


「さっ、とりあえず食べよっか」


隣に座る沙希は、そう言ってアップルパイを1つ手に取り。

私に差し出してくれた。


「……ありがと」


話すタイミングを逃してしまって、ホッとした様な残念なような。

そんな気持ちで、私は受け取った。


「で?ガキんちょと何かあったわけ?」


ソーセージマフィンを買って来た諒斗は、そう言って大きな口を開けてかぶりついた。

モグモグと口を動かしながら、じっとこっちを見ている。
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