揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「え、何?彼氏と何かあったの?」


アイスミルクティーを飲んでいた沙希は、慌ててストローから口を離した。

興味津津って感じで、すぐ近くから私をじっと見てくる。


「実はね……」


やっぱり、2人にはちゃんと話した方がいいのかもしれない。

それで、私がこれからどうしたらいいのかを一緒に考えてもらおう。


意を決して、私は言葉を続けた。


「大翔君には、本命の彼女がいたの」


私の隣と向かいに座る2人の表情が、一瞬にして固くなった。

ただ黙って、じっとこっちを見ている。


「私は、その彼女との仲を隠す為のカムフラージュなんだって」


つとめて、明るくそう言ってみた。

利用されてた事に全然気が付かなかった自分を、自分自身で嘲笑うかのように。


「何だよ…それ?」


吐き捨てるように、諒斗はそう呟いた。

手にしていたマフィンをトレーの上へと置いて、指先に付いた細かい粉を擦って払い落す。
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