揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「彼氏がそうやって言ったの?」


尋ねる沙希に、私は首を横に振って答えた。


「大翔君とは、土曜の夜から連絡とって無いんだ。それを教えてくれたのは…本命の彼女なの」


「その彼女って、前に映画館で会った奴?」


諒斗が言ってるのは、きっと水沢の事。


相手が水沢だったら、こんなに苦しまなくて良かったんだけどね……。


「違うよ」


そう答えて、私は甘いミルクティーを喉に流し込んだ。

緊張してるのか、何だかやけに喉が渇く。


「わざわざ由佳に言うような子って、どんな子なの?」


沙希の言葉に、私は…思い切って本当の事を告げてみた。


「彼の…お母さん」


「……」


「……」


案の定、沈黙が流れてしまった。

ポカンとした顔をして、2人とも私を見ている。


「……ごめん、よく聞こえなかったんだけど?」


顔を引きつらせながら、沙希が聞き返してきた。
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