揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「彼の、お母さんだよ」


もう一度、私はそう答えた。


「じょ、冗談言わないでよ由佳っ。びっくりするじゃない」


乾いた笑いと共に、沙希はそう言って私の肩を叩いてくる。


分かるよ、沙希。

私も…信じられなかったもん。


「近親相姦ってやつなのかよ?」


しばらく黙っていた諒斗が、ぼそっと口を開いた。


「うん……。でも、お父さんの後妻さんみたいで、血は繋がってないらしいんだけど」


「それでも、親子でしょ?彼女って言ったって、単なる仲良しって事じゃないの?」


2人は…知らないから。

あのビデオに映されていた、男と女の関係を。


「単なる仲良しなら、その…え、エッチなんてしないよね?」


「エッチ!?」


沙希の大声が店内に響き、慌てて諒斗が彼女の口を手で塞いだ。

数少ないお客さんや店員さんが、何事かとこっちを見ている。


「大声出すなよ、アホっ」


小声で叱りつける諒斗に、沙希は両手を合わせて頭を下げた。
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