揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
彼の言うトコロの『休憩』の時間は、あっという間に過ぎてしまった。


また明日会えるって分かってるのに、別れる時が何だかすごく淋しくて。

繋いだ手を、簡単には離せずにいる。


「由佳の課題、終わりそう?」


『アルタイル』からの帰り道。

2人で手を繋いで、ゆっくりと家路を辿る。


「今日中には終わらせるから、大丈夫。明日は、バッティングセンター行けるよ」


以前、初めてのデートで行くはずだった場所。

そこへ、明日行く約束をしている。


「手取り足取り教えてあげるよ」


「……バッティングの話だよね?」


「そうだけど?」


そんな話をしていたら、あっという間に分かれ道に来てしまっていた。

同じ小学校区でも、私達の家は端と端。


ここで…サヨナラになる。


「また、明日ね」


言いたくないけれど、いつも私からそう声をかける。

だって、彼の口から言われたら淋しすぎるから。


「うん、また明日」


そう言って、彼が手を離そうとした瞬間だった。
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