揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
『別に、灯りはどっちでもいいよ』


そして、画面に俺の後ろ姿が入って来た。

まどかさんの寝室の、タンスの上からでも撮っているのだろうか?


まさか、こんなトコロを撮っていただなんて……。


『でも灯りが無いと、まどかさんの顔が見れないね』


彼女に覆い被さっている俺が、そう囁いている。

そのまま、彼女に唇を重ねていく。


これを、由佳に見せたっていうのか……!?


『んんっ……』


キスの合間に漏れる、まどかさんの吐息。

俺の顔もまどかさんの顔も、ビデオにはしっかりと映っている。


「何で…こんなの撮ってんだよ?」


画面から視線を外し、楽しそうに俺を見ている彼女を睨みつける。

今すぐにでもビデオを壊してしまいたくなる衝動を、ぐっと抑えながら。


「だって、自分達がシてるとこビデオに撮ると燃えるって言うじゃない?マンネリ化しないように、試しにやってみたのよ」


彼女の言葉と笑顔が、どんどんと俺の胸をえぐっていくようで。

殺意すら…覚えかねない。


『毎日シても感じるなんて、ヤラシイね』


そんな時に聞こえてくる自分の声が、やけに愚かに思えて……。

自分自身さえも、殺してしまいたくなる。
< 209 / 337 >

この作品をシェア

pagetop