揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「由佳…さんは、どこまで見たんだよ?」


理性をギリギリ保ちながら、俺はそう尋ねた。

ビデオを持つ手が、怒りから小刻みに震えているのが自分でも分かる。


「もう少し先だったと思うけど?」


画面を覗き込みながら、彼女は至って普通にそう答えた。

それに続いて、画面の中の彼女が声を発する。


『大翔だから、感じるのよ』


見れば、画面の中のまどかさんは上半身が露わになっていた。


『……そういう事にしとくよ』


そして、画面の中の俺は……。

彼女の大きくて綺麗な胸に顔を埋めて、両手で揉み上げている。


『あぁっ…ひろ……』


まどかさんの艶めかしい声が聞こえたと同時に、俺はビデオを停止させた。

画面を閉じ、電源を落としてまどかさんに突きつける。


「もう見ないの?」


「……十分だよ」


あれ以上見続けたら、それこそまどかさんを手にかけかねない。

そして…自分自身さえも。


由佳がどこまで見たのか分からないけれど、俺とまどかさんの関係を知った事には間違いないだろう。


だから、メールの返事がこないのか?

この事を知って、俺に幻滅したから。


嫌われたって事なんだろうか?
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