揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
ドアに鍵を掛けると、慌ててジーンズから携帯を取り出した。

メール作成の画面を出し、宛先に由佳を選ぶ。


≪ただいま。ちょっと訳があって、克也達より早く帰って来てるんだ≫


まどかさんの邪魔が入らないうちに、由佳にメールを送ってしまいたかった。

変換するのさえもどかしいぐらいに、急いで指を動かしていく。


≪大事な話をしたいから、今日会いたい。学校終わったら、すぐにメールして?≫


とりあえず、それだけ打ってメールを送信した。


由佳が返事をくれるかは分からないけれど。

それでも、送らずにはいられなかったんだ。


「大翔?コーヒー入ったわよ?」


ドアの向こうから、まどかさんの声がした。

間一髪ってトコだ。


「分かった、すぐ行くよ」


それだけ答えると、慌てて携帯をしまい。

使っていないトイレの水を流した。


とりあえず、後はメールをもらってから考えるしかないよな。


軽く息を整え、俺はドアをそっと開け。

コーヒーのいい香りが漂ってくるリビングへと、平然を装いながら戻って行った。
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