揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「あれっ?由佳?」
名前を呼ばれ、声のする方を咄嗟に振り返る。
見るとそこには、改札を出て来た諒斗と真吾の姿があった。
2人は、不思議顔で私の事をじっと見ている。
「真吾、どうしたの?」
彼の家は学校を挟んでこの駅とは逆になるはずで。
つい、そう尋ねていた。
「明日休みだから、今日は家に泊まってゲームすんだよ。っていうか、お前こそこんなトコで何してんだ?」
諒斗にそう尋ね返され、私は一瞬言葉に詰まってしまった。
2人に向かって、【大翔君と待ち合わせ】とは何だか言いにくくて。
「ちょっと…ね」
曖昧な言葉を返し、苦笑いを付け加える。
「由佳も遊びに来るか?」
「あっ、私はいいからっ。2人で楽しんで来てっ」
慌てて、両手を横に振ってみせた。
そんな私をじっと見ていた真吾が、ぼそっと口を開く。
「もしかして、彼と待ち合わせ?」
「……」
相変わらず、真吾の勘は鋭くて。
20センチぐらい上にある彼の目を見ながら、私は黙って頷いた。
「悪いけど、諒斗から全部聞いたよ。彼の…お母さんの事も」
「えっ……?」
まさか真吾の耳にまで入っているとは思わず、私は反射的に諒斗へと視線を移していた。
その諒斗はというと、別に悪びれる様子もなくて。
「お前と弘登先輩の事を気にしてたからさ、一通り話させてもらったよ。まぁ、真吾は聞く権利あると思うし?」
そう言って、同意を求めるかのように私を見下ろしてきた。
確かに、いろいろと巻き込んでしまった真吾にも話を聞く権利はあるかもしれない。
軽く息を吐き、私はゆっくりと頷いた。
「今度こそは、何かあったら俺に連絡してよ?弘登先輩じゃなくってさ」
そう告げた真吾の優しい笑顔は、不安になりかけていた私の背中をそっと押してくれている気がして。
また、彼の優しさに助けられた気がする。
「俺も、いつでも話聞いてやるけど?」
少しふてくされた感じで、諒斗も口を挟んできて。
その顔が何だかおかしくて、つい笑ってしまった。
名前を呼ばれ、声のする方を咄嗟に振り返る。
見るとそこには、改札を出て来た諒斗と真吾の姿があった。
2人は、不思議顔で私の事をじっと見ている。
「真吾、どうしたの?」
彼の家は学校を挟んでこの駅とは逆になるはずで。
つい、そう尋ねていた。
「明日休みだから、今日は家に泊まってゲームすんだよ。っていうか、お前こそこんなトコで何してんだ?」
諒斗にそう尋ね返され、私は一瞬言葉に詰まってしまった。
2人に向かって、【大翔君と待ち合わせ】とは何だか言いにくくて。
「ちょっと…ね」
曖昧な言葉を返し、苦笑いを付け加える。
「由佳も遊びに来るか?」
「あっ、私はいいからっ。2人で楽しんで来てっ」
慌てて、両手を横に振ってみせた。
そんな私をじっと見ていた真吾が、ぼそっと口を開く。
「もしかして、彼と待ち合わせ?」
「……」
相変わらず、真吾の勘は鋭くて。
20センチぐらい上にある彼の目を見ながら、私は黙って頷いた。
「悪いけど、諒斗から全部聞いたよ。彼の…お母さんの事も」
「えっ……?」
まさか真吾の耳にまで入っているとは思わず、私は反射的に諒斗へと視線を移していた。
その諒斗はというと、別に悪びれる様子もなくて。
「お前と弘登先輩の事を気にしてたからさ、一通り話させてもらったよ。まぁ、真吾は聞く権利あると思うし?」
そう言って、同意を求めるかのように私を見下ろしてきた。
確かに、いろいろと巻き込んでしまった真吾にも話を聞く権利はあるかもしれない。
軽く息を吐き、私はゆっくりと頷いた。
「今度こそは、何かあったら俺に連絡してよ?弘登先輩じゃなくってさ」
そう告げた真吾の優しい笑顔は、不安になりかけていた私の背中をそっと押してくれている気がして。
また、彼の優しさに助けられた気がする。
「俺も、いつでも話聞いてやるけど?」
少しふてくされた感じで、諒斗も口を挟んできて。
その顔が何だかおかしくて、つい笑ってしまった。