揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
笑っている私の前で、2人は顔を見合わせて何やらアイコンタクトをしていて。

頷き合ったかと思うと…両肩をそれぞれにポンッと叩かれた。


「俺らがついてるから、頑張れよ」


右肩を叩いた諒斗と、


「何かあったら、連絡してくれればいいから」


左肩を叩いた真吾。


突然の2人の言動に、イマイチついていけてない私。

首を傾げ掛けた時だった。


「由佳?」


後ろから…凄く懐かしい声が聞こえてきた。


未だ声変わりのしていない、少し高めの声。

その声に、私の全てが過敏に反応していた。


早鐘のように激しく打ち始める鼓動。

全ての毛が逆立つかのような錯覚を全身に感じ。

彼の声が、頭の中に響いている。


振り返らなくたって、その声が誰のモノか…私には分かる。


「早く行けよ、由佳」


動けないでいる私を見て、諒斗がそう言って笑い。


「彼、待ってるよ?」


同じく笑顔の真吾が私の両腕を掴んで、体を反転させてきた。


「……」


おかげで、目の前に愛しい人の姿を捕える事ができた。
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