揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「この一週間の間に…俺の母さんと会った?」
ドクンッと飛び跳ねるような鼓動を感じ、気を落ち着かせる為に唾を飲み込んだ。
いきなり核心に迫られ、呼吸が荒くなっていく。
「う、うん……」
まどかさんは『大翔には内緒ね』と言っていたけれど、約束を破ってしまった。
だって、やっぱり彼の口からちゃんと聞きたい。
たとえ、この傷口が広がってしまったとしても……。
「何か話…されなかった?俺と彼女の事」
窺うような彼の言葉。
『彼女』と呼ぶ辺りが、やっぱりホントの親子じゃないんだって実感させられる。
「聞いたよ。ホントの親子じゃないって事」
ホントは、もっともっと聞いてるけれど。
それを口にする勇気がなかなか持てない。
私も窺うように、とりあえずそれだけ答えた。
「そっか……。とりあえず、今から俺の言う話…聞いてくれる?あの人が由佳に何て言ったのか分からないけど、俺の言葉を信じて?」
強い意志を込めて、彼の瞳が真っ直ぐに私を捕える。
だけど私は、彼の言葉を100%信じられる自信が無かった。
心のどこかで、【都合のいいように誤魔化されるんじゃないか?】って疑ってしまっている。
「黙ってて、本当にゴメン。でも、ちゃんと話すから」
「……」
こくり、と視線を逸らしたまま頷き返した。
「俺の…ホントの母さんはさ、1年の時に病気で死んだんだ。ずっと、体が弱かったから。その母さんと約束したんだよ。『絶対に甲子園に連れていく』って」
ちらっと盗み見た彼は、懐かしそうな、それでいてちょっぴり切なそうな。
そんな…表情をしていた。
ドクンッと飛び跳ねるような鼓動を感じ、気を落ち着かせる為に唾を飲み込んだ。
いきなり核心に迫られ、呼吸が荒くなっていく。
「う、うん……」
まどかさんは『大翔には内緒ね』と言っていたけれど、約束を破ってしまった。
だって、やっぱり彼の口からちゃんと聞きたい。
たとえ、この傷口が広がってしまったとしても……。
「何か話…されなかった?俺と彼女の事」
窺うような彼の言葉。
『彼女』と呼ぶ辺りが、やっぱりホントの親子じゃないんだって実感させられる。
「聞いたよ。ホントの親子じゃないって事」
ホントは、もっともっと聞いてるけれど。
それを口にする勇気がなかなか持てない。
私も窺うように、とりあえずそれだけ答えた。
「そっか……。とりあえず、今から俺の言う話…聞いてくれる?あの人が由佳に何て言ったのか分からないけど、俺の言葉を信じて?」
強い意志を込めて、彼の瞳が真っ直ぐに私を捕える。
だけど私は、彼の言葉を100%信じられる自信が無かった。
心のどこかで、【都合のいいように誤魔化されるんじゃないか?】って疑ってしまっている。
「黙ってて、本当にゴメン。でも、ちゃんと話すから」
「……」
こくり、と視線を逸らしたまま頷き返した。
「俺の…ホントの母さんはさ、1年の時に病気で死んだんだ。ずっと、体が弱かったから。その母さんと約束したんだよ。『絶対に甲子園に連れていく』って」
ちらっと盗み見た彼は、懐かしそうな、それでいてちょっぴり切なそうな。
そんな…表情をしていた。