揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「嫌な思いさせて、ゴメン。でも由佳と出会ってからは、いつも由佳を抱いてるつもりでいるから。頭の中ですり替えてるんだ」


彼の言葉を嬉しく思った反面。

忘れかけていた疚しさから、チクリと胸が痛んだ。


自分も…同じ事をしようとした。

先輩を大翔君の代わりにして抱かれようとしたんだ。


「私……」


あの時は、大翔君に裏切られたと思ってヤケになってたから。

こうして大翔君から話を聞くまで、そう思い込んでいたし。


自分のした事に、そんなに罪悪感を感じてはいなかった。


でも、こうやって誤解が解けた今となると……。

大変な事をしてしまったんだって気持ちが、だんだんと大きくなって。


激しい自己嫌悪に陥ってしまった。


「由佳?」


言いかけて止めてしまった私を、大翔君が不思議そうに見てくる。


彼の漆黒の瞳は、以前と変わることなく綺麗に輝いているけれど。

私は…どうなんだろう?


汚れてしまってるんじゃないだろうか?


前に諒斗に襲われた時とは、あまりにも状況が違う。

あの時は、あくまでも一方的に襲われたわけだけど。


弘登先輩とは…同意の上での事だ。
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