揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
私の同情を、きっと大翔君は嫌だったんだと思う。


今まで通りでいいんだよね?

お父さんが亡くなってる事には触れないで、お母さんの事も気にしないで。


って、私…今まで通りにできるかな?


そんな風に考えていた時。

私の手の中の携帯が、メール着信を知らせる音楽を鳴らし始めた。


誰からかなんて、見なくても分かる。

この音楽は、大翔君からのメールの時にだけ流れる曲だから。


「大翔からなんだろ?先にメールしていいから、終わったらここ教えて」


教科書の中のあるページを指差すと、ミニテーブルにノートと共に置いて、克也は私のCDラックをチェックし始めた。


また、何か持っていこうとしてるし……。


そんな克也を横目に、私は携帯の受信メールを開いた。


「えっ……?」


メールを読みながら、思わずそんな声が漏れてしまっていた。


「何?どうかしたの?」


私の様子に気付き、心配そうに克が声をかけてくる。

だけど、今の私には返事をする余裕が無くて。


この短いメールに、私の心は一瞬にして押し潰されそうになってしまったんだ。


≪悪いけど、明日会えなくなったから。修学旅行から帰ったら、また連絡する。≫


彼からのメールは、たったこれだけ……。
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