揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「やだよ……」


心がどんどんと圧迫されていくようで。

私は、無意識にそう呟いていた。


「姉ちゃん?」


「私のモノじゃなくなるなんて、やだよ……」


もちろん、大翔君はモノなんかじゃないって分かってる。

だけど、これから先ずっとその子と一緒にいるかと思ったら、すごくぞっとしてきて。


どうすればいい?

どうしたらいい?


大翔君と普通の恋人になる為には、私は一体どうしたらいいの?


「だったらさ、ちゃんと気持ちを伝えればいいんじゃねぇの?大翔にも、篠原さんにも。大翔の彼女は、姉ちゃんなんだからさ」


「克也……」


そう言ってニカッと笑う弟の存在を、ホントに嬉しく思った。

一体、何度こうやって助けられた事だろう。


克がいなかったら、きっと私は大翔君と出会っていなかっただろうし。

こうやって、恋人にもなれなかっただろうし。


ホントに、感謝してる。


「明日、俺らは試合だけど大翔はどうなんだろうなぁ」


確か明日の話をしていたら、その篠原さんの事を話し出したんだよね。

という事は、明日はその彼女に会うっていう事……?
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