揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「できないよ、そんなの……」


そうやって打ってくるって事は。

それまでは、こっちからも連絡して欲しくないって事なんだろうし。


それに……。


夕方の、彼とお母さんの姿が脳裏に蘇る。

もしかしたら、お母さんに見られた事が関係してるのかもしれないし。


「じゃあ、月曜に俺が大翔に話しとくよ。ちゃんと姉ちゃんに説明しとけってさ」


「……ありがと」


最近、私は克也に助けてもらってばっかりで。

克が弟で良かったって、つくづく思う。


「というわけで、ほら算数算数っ」


話題を変えてくれたのか、それともそっちが大事なのか。

ベッドの上で座り込んでいる私の前に、克は算数の教科書を広げてきた。


「分かったわよ」


ティッシュでもう一度目元を拭い、私は教科書の問題に目を向けた。


それは、まさに大翔君に訊かれた問題と同じで。

何だか自然と苦笑いが浮かんでくる。
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