揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
リストラ?

左遷?


何だよ、それ……。


無性に胸騒ぎがして仕方ない。

まどかさんが何かを企んでいるのは確かだけど、それを確かめるのが恐ろしい気がする。


「だって、由佳さんってば大翔に未練たっぷりじゃない。気持ちが離れられないなら、実際に距離を置いた方がいいんじゃないの?」


「だからって、彼女の父親は関係ないだろっ?」


「じゃあ……」


そう言って、彼女はコーヒーの入ったカップを俺の方に差し出してきた。

そして、上目使いにじっと俺を窺ってくる。


「大翔から離れる?」


「はっ?」


「ニューヨークの兄さんの所に行くのもいいかなって思ってるのよ。ほら、野球の本場だし。大翔も向こうで生活する方が、これからの為にいいと思うんだけど」


ニューヨークだって……?

何言ってんだよ、この人。


「正気じゃないよね?」


「いたって、大真面目なんだけどな。どう?いい話じゃない?」


俺と由佳を離す為に、ニューヨークに住むって事か?

そこまでして別れさせたいのかよっ!?
< 260 / 337 >

この作品をシェア

pagetop