揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「別に、メジャーリーガーになりたいわけじゃないし。甲子園に行くのが目標なんだから」
「じゃあ、高校生になったら戻って来ればいいじゃない」
名案でも浮かんだかのような言い方で、まどかさんはそう告げてくる。
あくまでも、ニューヨークに俺を連れて行こうとしているらしい。
「ここで俺が断ったら、由佳さん達がどこかに飛ばされるわけ?」
俺がニューヨークに行かなかったら、由佳の親父さんがどこかに左遷される。
そんなの、まどかさんが父親に頼めば…訳も無い話なんだろう。
「ホント、大翔は頭が良くて助かるわ」
そう言って笑うと、彼女は自分のカップに口を付ける。
俺は項垂れてしまっていた。
どっちに転んだって、由佳と引き離されるのは確定で。
だとしたら、由佳にできるだけ迷惑をかけたくない。
「いつ…行くつもり?」
好きな人と一緒にいる事が叶わないのならば。
せめて、その人を守ってやりたい。
俺がニューヨークに行く事で、由佳達に迷惑がかからないのだとしたら。
「ホントは、今すぐにでも行きたいぐらいなんだけど。実はね、篠原さんも近いうちにニューヨークに転勤するんですって。最初は何も思わなかったんだけど、よく考えたらその手があったなぁって」
「篠原さんも……?」
「あっ、それはホントにたまたまだからね。転勤するまでの間、大翔に恋人のフリをして欲しいって言われたんだけど…私達も行くなら続けられるわね」
「じゃあ、高校生になったら戻って来ればいいじゃない」
名案でも浮かんだかのような言い方で、まどかさんはそう告げてくる。
あくまでも、ニューヨークに俺を連れて行こうとしているらしい。
「ここで俺が断ったら、由佳さん達がどこかに飛ばされるわけ?」
俺がニューヨークに行かなかったら、由佳の親父さんがどこかに左遷される。
そんなの、まどかさんが父親に頼めば…訳も無い話なんだろう。
「ホント、大翔は頭が良くて助かるわ」
そう言って笑うと、彼女は自分のカップに口を付ける。
俺は項垂れてしまっていた。
どっちに転んだって、由佳と引き離されるのは確定で。
だとしたら、由佳にできるだけ迷惑をかけたくない。
「いつ…行くつもり?」
好きな人と一緒にいる事が叶わないのならば。
せめて、その人を守ってやりたい。
俺がニューヨークに行く事で、由佳達に迷惑がかからないのだとしたら。
「ホントは、今すぐにでも行きたいぐらいなんだけど。実はね、篠原さんも近いうちにニューヨークに転勤するんですって。最初は何も思わなかったんだけど、よく考えたらその手があったなぁって」
「篠原さんも……?」
「あっ、それはホントにたまたまだからね。転勤するまでの間、大翔に恋人のフリをして欲しいって言われたんだけど…私達も行くなら続けられるわね」