揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
篠原さんも、ニューヨークに……。


このままずっと、彼女の恋人として一緒にいなくちゃいけないのだろうか?

いつ記憶を取り戻すか分からない彼女の隣に。


由佳はどう思う?

俺がニューヨークに篠原さんと行くって知ったら。


しかもそれが、自分の父親を左遷させない為のモノなのだと知ったら。


「由佳さんとは、別に何でもないんだよ。だから……」


やっぱり、このまま行ったらダメだ。

由佳に…罪悪感を与えてしまうかもしれない。


「もう分かってるんでしょ?私が2人の仲を気付いてるって事。だけど、私に捨てられたら困るから。だから、私を愛してるフリをしてるんじゃないの?」


今まで、まどかさんは核心には触れてこなかった。

気付いてるかもしれないとは思いつつ、どこかで油断していたのかもしれない。


俺と由佳の事はバレて無いだろうって。


「いつ…から?」


自分の浅はかさを、今更ながらに呪ってしまう。

まどかさんには隠し通すって決めたはずなのに。


「学校で試合があった日よ。ほら、彼女の携帯を大翔が探してあげた日」


震える声で尋ねる俺を嘲笑うかのように、彼女は終始笑顔を浮かべている。


俺が由佳の番号を知った日。

あの日から、まどかさんは気付いてたっていうのか?


俺が…由佳を好きだっていう事を。
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