揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
俺の由佳への気持ちを知っていながら、気付かない振りをして。

俺との関係を続けていたっていうのかよ……?


「別に、大翔が私との関係を断ち切りたいって言うのなら、それはそれで構わないわよ?」


まだ温かいカップを手の平で包みながら、まどかさんはそう告げてきて。

その意表をついた言葉に…俺はどう答えていいものか考えあぐねていた。


もちろん、この人の言う事を鵜呑みにしていいわけがないだろうし。


「分かってるとは思うけど、もう一度ちゃんと言っておくわね。私との関係をやめるって言う事は、親子でも無くなるんだって思っておいて。私に捨てられたら…どうなっちゃうんだろうね?」


答えを分かっているのに、わざとらしく高い声で尋ねてくる。

そんな事を言われなくたって、俺は十分すぎるほど分かってるんだよ。


「……分かってるよ。まどかさんとの関係はやめないから」


中学を出るまで。

そうしたら、高校は家を出て寮のある学校に行けばいい。


バイトをしてでも、自分1人で生活をしていこう。


「なら、いいけど。ちなみに、由佳さんとはもう会うのは止めてね。私から、別れるように伝えておくから。学校も千花ちゃんと併せて辞めてもらうし」


俺が戻って来るまで、由佳は待っててくれるだろうか?

でも、今行っても帰るのは4年後って事だろ?


こんな不安を抱えさせたまま、4年も待たせるのか……?


「由佳さんには…俺から伝えるよ。ちゃんと別れてくるから」


不本意だけれど。

でも、由佳の為にはこれが一番イイに決まってる。


「悪いけど、別れ話なら彼女をここに呼んでやってくれる?3人で、ゆっくり話しましょ?」






そして、それから俺は由佳にメールを送り。

月曜の夕方に家に来てもらう事にした。
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