揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
そして試合は、諒斗達の圧勝に終わった。

ホームゲームっていう事もあるんだろうけど、応援の数の凄さと技術の高さが格段に上だったと思う。


「こういうの、出待ちっていうんだよね?」


体育館を出た所で女子高生達がたかっている。

どうやら、出て来る選手達を待っているらしい。


「だろうね。俺達はあっちで待とうか」


アイドルの追っかけ並みの人だかりから外れた所で、俺達は待つ事にした。

体育館の方に目をやると、選手達がぞろぞろと姿を現し始めている。


「あっ、来たよ」


一際高い歓声と共に、諒斗達が体育館から出て来た。

別段ファンの子達を気に止める様子も無く、そのままこっちに向かって歩いて来る。


「試合、圧勝でしたね」


並んで歩いている諒斗達の前に、俺はゆっくりと歩み寄って行った。

俺がいる事に気付いてなかったらしく、2人は目を見開いて驚いている。


「何やってんだよ?ガキんちょ」


白のスポーツバッグを肩から斜めに掛けている諒斗は、ポケットに手を突っ込んだままそう尋ねてきた。

相変わらずの口の悪さに苦笑を返しつつ、俺は軽く頭を下げる。


「ちょっと…用があったんで」


そう言って俺が見上げたのは由佳の元カレの方。

180は越えていそうな身長は、160に満たない俺からしたらかなり羨ましい。
< 265 / 337 >

この作品をシェア

pagetop