揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
俺の言葉に、彼は驚きの表情を浮かべていて。
黙ったまま、じっと俺を見据えてくる。
「あなたに、由佳をお願いしたいんです」
もう一度繰り返し、俺は彼に向かって深く頭を下げた。
不本意な気持ちを、下唇を噛みしめる事でぐっと堪えながら。
「それは、君が由佳と別れるっていう事?」
頭の上から聞こえる声に、俺は俯いたまま頷き返した。
決心した事なのに。
いざこうやって本当に事を進めるとなると、激しく後悔の念に襲われる。
やっぱり由佳を渡したくはない、と。
「よっぽどの事情があるんだね。とにかく、頭上げて」
そう言って、彼は俺の左肩にポンッと触れた。
言われるまま、俺はゆっくりと頭を上げていく。
「君達の大体の事情は聞いてるよ。君とお母さんの事とかも。だから、良かったら理由を聞かせてもらえないかな?」
俺とまどかさんとの事を知ってるとは思わず。
今度は俺が驚かされた。
「知ってるなら…話が早いです。俺が母親と関係を持ってるって知った由佳は、事情を分かってくれました。だけど、母の方が俺と由佳の仲を認めてくれなくて」
「反対されてるって事?別れろって言われたとか?」
「そんなとこですよ。母親の実家が会社を経営していて、どうやら由佳の父親がその系列会社にいるらしくて。このままだと、由佳の父親を遠くに左遷させるって……」
黙ったまま、じっと俺を見据えてくる。
「あなたに、由佳をお願いしたいんです」
もう一度繰り返し、俺は彼に向かって深く頭を下げた。
不本意な気持ちを、下唇を噛みしめる事でぐっと堪えながら。
「それは、君が由佳と別れるっていう事?」
頭の上から聞こえる声に、俺は俯いたまま頷き返した。
決心した事なのに。
いざこうやって本当に事を進めるとなると、激しく後悔の念に襲われる。
やっぱり由佳を渡したくはない、と。
「よっぽどの事情があるんだね。とにかく、頭上げて」
そう言って、彼は俺の左肩にポンッと触れた。
言われるまま、俺はゆっくりと頭を上げていく。
「君達の大体の事情は聞いてるよ。君とお母さんの事とかも。だから、良かったら理由を聞かせてもらえないかな?」
俺とまどかさんとの事を知ってるとは思わず。
今度は俺が驚かされた。
「知ってるなら…話が早いです。俺が母親と関係を持ってるって知った由佳は、事情を分かってくれました。だけど、母の方が俺と由佳の仲を認めてくれなくて」
「反対されてるって事?別れろって言われたとか?」
「そんなとこですよ。母親の実家が会社を経営していて、どうやら由佳の父親がその系列会社にいるらしくて。このままだと、由佳の父親を遠くに左遷させるって……」