揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
守るべき秘密-side大翔-

chapter4

パタンッ

由佳にメールを打ち終えると、俺は鮮やかな青色の携帯をポケットにしまった。


次の瞬間、


「誰にメールしてたの?」


部屋の入口から、まどかさんにそう声をかけられ。

俺の鼓動は穏やかでなくなった。


「……そんなに息子が心配?」


敢えて『誰』とは答えず、俺は勉強机の椅子から立ち上がる。


「当たり前じゃない。大事な大翔を、どっかの泥棒猫に盗られちゃ困るもの」


それは、明らかに由佳の事を指していて。

一瞬、言葉に詰まってしまった。


「てっきり、梨香ちゃんとデートだと思ったんだけど?」


そう言いながら、彼女が近付いて来て。

その日の気分で変えられる香水が、甘く俺の鼻先をくすぐってくる。


「さっき訊かなかったから、安心してたでしょ?」


白くて細い彼女の指が、俺の顔を少し上に向けさせた。


「別に」


心を見透かされているようで、俺は目を逸らしながらそう答えた。


「コンビニの行き帰りなんかに、こんな大事な話するわけないじゃない」


そして、妖しく微笑む彼女の唇がゆっくりと近付いてくる。


されるがままに。

俺は、彼女の唇と舌をとりあえず受け止めた。
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