揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「大翔君は…1人でした?」


弘登先輩にそう尋ねてみると、彼は首を横に振って答えた。


「いや、篠原さんって子といたよ。彼氏が真吾と2人で話したそうだったから、俺と諒斗が彼女とジュース飲んで待ってたんだけどさ」


「そう…ですか」


篠原さんも一緒にいたんだ。

それなのに真吾に会いに行くって、よっぽどの何かがあるって事だよね?


「何の話してたのか、真吾に訊いてもはぐらかされてさ。まぁ、とりあえず由佳ちゃんに伝えとこうと思って」


そこまで話すと、先輩はストローに口を付け。

少し何か考えているようで、カップの中をじっと見つめている。


「それを伝えに、わざわざストーカーみたいにここに来たの?」


「沙希っ」


呆れたように言う沙希の言葉に、慌てて私は口を挟んだ。


ホント、言う事ストレートなんだから……。

聞いてるこっちがヒヤヒヤしてくるよ。


「いくら俺でも、ここに由佳ちゃん達がいるなんて知らないし。たまたまだよ」


苦笑いを浮かべながら沙希にそう言葉を返し。

今度は、私へと視線を向けて来た。


「そういえば先週、由佳ちゃんがここでバイトしてた時にさぁ……」


「……先輩?」


言いかけて、急に先輩は口を閉じてしまって。

続きが気になった私は、何やら深刻そうな顔をしている先輩にそう問いかけた。
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