揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
先輩は大翔君が私の彼氏だって知ったから。

だから、年の差なんて気にしなくてもいいって言ってくれたんだよね。


でも、どうして『幸せ?』なんて訊いたんだろう?


この間のヤケになってた私を心配してくれたのかな?

それとも、何か別の意味があるの……?


「一体何だったんだろうね?あのチャラ男」


笑いながら沙希はマキアートを流し込み。

その向かい側で私は、何だかすっきりしない気持ちを抱えていた。


時折見せた、先輩の思いつめたような表情。

それが、どうにも引っ掛かって仕方ない。


「よしっ、カラオケでも行こっか」


私の返事を聞く前に、既に沙希は立ち上がっていて。

空になったカップを手にしていた。


「あっ、ちょっと待ってよ」


まだ中身のたっぷり残っているカップを慌てて掴んで、私も立ち上がり。

前を行く沙希の後を追った。
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