揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
私の脳裏に、彼と出会ってからの事が次々と浮かび上がってくる。


初めて出会った時の事。

家に遊びに来た時の事。

携帯を探してくれた時の事。

初めて電話で話した時の事。

映画館でバッタリ会った時の事。


そして…つき合うようになった時の事。


彼の姿を見て、声を聞いて、体を触れ合って。

その事も、幸せじゃなかったっていうの?


「幸せだよ」


逸らしていた目をしっかりと諒斗に向け、私はそう言葉を発した。


確かに、辛い事がいろいろとありすぎて。

自分が幸せなのかどうかなんて、すっかり考えてなかったけれど。


それでも…大翔君がいてくれるから、やっぱり私は幸せなんだよ。


「こんなに辛い目に遭わされてるのにか?」


納得いかないといった表情の諒斗。

心配してくれるのは、本当に嬉しいと思う。


だけど、これは本当の気持ちだから。


「大翔君がいてくれれば、私は幸せだよ」


そう、胸を張って答えられるんだよ。
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