揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「……分かったよ」


そう呟くと、諒斗はゆっくりと私から体を離していき。

自分の周りに空間ができた私も、壁から体を離していった。


「由佳がアイツとの事を迷ってるんだったら、無理矢理でも引き離そうとしたんだけどさ。こうあっさりと『幸せだ』って認められたら、俺ってバカみてぇじゃん」


頭をボリボリと掻きながら、拗ねたようにそうボヤいて。

諒斗は照れくさそうに笑っていた。


「ありがとね、心配してくれて」


みんなが私と大翔君の事を心配してくれて。

ホントに、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。


だけど、私はやっぱり大翔君じゃなきゃダメだから。

彼の事を好きな自分に胸を張って生きていきたいと思う。


「別に…お前の為じゃねぇよ」


ぼそっと答えると、諒斗は教室に向かって1人先に歩き出し。

私も慌てて後を追った。


何だか、今すぐにでも大翔君に会いたい気持ちになってきて。

逸る鼓動を抑えながら自分の教室へと急いだ。
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