揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「さぁ、飲みましょ」


そう言ってまどかさんはソファに腰を下ろし、後から来た大翔君は…彼女の隣に腰を下ろした。


2人の前に置かれたのは、私とは違ってお揃いのマグカップで。

並んでそのカップに口を付ける2人に、たまらなく嫉妬心が湧き上がってくる。


「今日はね、あなたに大切な話があって来てもらったの」


微妙な空気を割って口を開いたのは、まどかさんで。

カップを両手で挟みながら、意味ありげな笑顔を私に向けてくる。


その隣の大翔君は、顔を俯かせたまま…カップの中をじっと見つめていた。


「実はね……」


そう彼女が話し出した時、インターホンの音が大きく鳴り響いた。

音の方に視線を向けると、モニターに見覚えのある顔が映っている。


「あら?」


驚きの声を漏らし、立ち上がろうとしたまどかさんよりも早く。

大翔君がモニター横の受話器を取り上げていた。


「……分かった」


それだけ答えると、彼は何やらボタンを押し。

そのまま受話器を置いて、ソファへと戻って来た。


「約束してたの?」


「いや、いきなりだよ。どうしても今話したい事があるらしいから」


少し不満げなまどかさんの言葉に、仕方ないと言わんばかりに彼は軽く溜息を吐き。

再びカップに口を付けた。
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