揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
突然の来客にこの気まずい空気を打破してもらい。

内心、ちょっとホッとしていた。


まどかさんの言う『大切な話』が、どうにもイイ話ではなさそうだったから。


篠原さんの事もあるし、私に別れてくれって言うんじゃないだろうか?

そう思えて仕方がない。


「とりあえず、あの子にはすぐに帰ってもらうから。そうしたら、話の続きをしましょ?」


そう言って笑顔を見せる彼女に何て答えていいのか分からず、私はただ黙っているだけで。

そんな時でも、やっぱり大翔君は私を見てくれない。


それがまた、私の心をどんどんと不安にさせてくる。


やっぱり別れ話なのかな?

だから、気まずくて私を見てくれないとか……?


そんな思いを抱きながら彼を見ていた時だった。

玄関のチャイムが鳴り、それと同時に彼が立ち上がった。


無言で玄関へと向かう彼を見送っていたら、何だか切なくなってきて。

胸の奥がぎゅうって締め付けられる気がした。


このまま、私達は別れなきゃいけないの?

今までホントにいろんな事があったけど、何とか乗り越えてこられたのに。


ここで…本当に終わってしまうの?


体中不安に包まれたまま、私は固まっていて。

そんな時に、遠くから何やら言い争うような声が聞こえてきた。


その声はどんどんと近づいてきて、その主が…このリビングに姿を現した。
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