揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「いいよ。まどかさんが、そうしたいなら」


そして、もう一度深く口づけを交わす。


まるで、ホストかのように。

俺は彼女の要求に応えていく。


それは…俺が生きていく為の手段。

もし彼女に捨てられたら、もう俺は施設に行くしか道が無い。


ホントの母さんとした、『甲子園に行く』という夢を果たす為には。

倫理や道徳なんて言葉、今の俺にはどうだっていい。


間違ってようが、汚れてようが、どうだっていいんだよ。


「じゃあ、お風呂溜めてくるからすぐ来てね」


まるで恋人にでも言うかのように。

そう言って、彼女は部屋を出て行った。


「……」


いつも、そうだった。


彼女との行為の後に残るのは、虚しさだけ。

キスだろうが、その先だろうが。


そして今は。

それに加えて、由佳への罪悪感に心を支配される。



だけどこれも、高校を卒業するまでの事。

卒業したら、俺はこの家を出るつもりでいるから。


その時初めて俺は、まどかさんから解放されるんだ。
< 30 / 337 >

この作品をシェア

pagetop