揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「2人共、傷ついてたんだよね。お互いに好きだったのに、許されなかったから。弘登先輩はいろんな女の子に声かけて忘れようとして、まどかさんは大翔君を先輩の代わりにしようとして。先輩のお兄さんとの関係を続けてたのも、先輩と似てたからだって言ってたしね」


そう言いつつ、私は自分自身の事も振り返っていた。


大翔君に水沢がいると知って、真吾とつき合ってみたり。

大翔君とまどかさんの関係を知って、先輩と関係を持とうともしたりした。


2人を責めるなんて事、私にはできないよ。


「好きだった人を他の人で忘れようとする気持ち、分からなくもないなぁ」


真吾の意外な言葉に、私は驚いて彼を見上げていた。


どちらかといえば、彼は実直なタイプだと思ってたから。

そんな言葉が出てくるなんて思いもしなかったんだ。


「実はさ、俺も…由佳に元カノを重ねて見てたんだ」


「えっ?」


「中学の時の彼女と…笑った顔がよく似ててさ。1年の時に諒斗と楽しそうにしてるのを見てから、ずっと気になってたんだ」


中学の時に1人つき合ってた人がいた、って言ってたけど。

まさか私と似てただなんて……。


「その彼女とは、どうして別れたの……?」


もしかしたら、今でもその子の事が好きなんじゃないの?


ふと、そう考えてしまって。

不躾かなと思いつつ、尋ねずにはいられなかった。
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