揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「克也の友達の神崎大翔君なんだけど」


「えっ?」


予想外の質問に、当たり前のように私は動揺してしまった。


だって、いきなり大翔君の話だなんて。

しかも、克也じゃなく私にしてくるって……。


「お母さんの勘違いだったら、ごめんね。もしかして…大翔君とつき合ってるの?」


「なっ……」


「何で知ってるの!?」そう聞きたかったのに、びっくりしすぎて言葉が出なかった。


何度か大翔君が家に来る事はあっても。

絶対、お母さん達の前じゃそんな素振りは見せなかったのに。


「やっぱり。そっかぁ、由佳の彼氏って大翔君だったんだ」


てっきり嫌な顔をされるんじゃないかって思ってたのに。

お母さんの顔は、意外にもにこやかで。


正直、戸惑ってしまった。


「この間、克也の試合見に行ったでしょ?その時、由佳1人でどこかに行ったじゃない。実はね、克也にタオルを渡してもらおうと思って後を追いかけたのよ。その時に…見ちゃったの。大翔君が、雅志君に由佳を彼女だって紹介してたのを」


「えっ?」


思ってもみなかった展開に頭がついていかない。

ただでさえ、今日はいろいろな事がありすぎたのに。


「好きなの?大翔君の事」


真正面からそんな事を訊かれ、戸惑いと恥ずかしさから私は目を逸らしてしまい。

ただ、頷き返す事しかできなかった。
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