揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「好きなら、別にいいじゃない。何で黙ってたの?」


思ってもみなかった言葉に、私の視線は次第にお母さんへと戻りつつあった。


あまりにもあっけらかんとした口調に、ただただ呆然とするだけで。

どう答えていいのか分からずにいた。


「相手が小学生だから、反対されると思った?克也の友達だから?」


黙っていると、次々と図星を指され。

軽く傷付きながらも、頷いて肯定せざるを得なかった。


だって、それは本当だから。


大翔君は私より5つも下の小学生で。

弟の友達で。


それを気にしないで、お母さんに堂々となんて言えるわけないじゃん。


「あんた忘れてるでしょ?お母さんとお父さんが幾つ違うかって」


「えっ?えーっと…あっ!」


言われて、やっと気がついた。

お母さんの方が、お父さんより5つ年上なんだっていう事を。


「さすがに、つき合いだしたのは社会人になってからだけど。でも、お母さんが高2の時にお父さんは小6だったって事でしょ?」


「まぁ…ね」


「じゃあ、お母さん達はどうこう言えないじゃない。それに、大翔君はしっかりしてるし、お母さんはいいと思うけど?」


意外や意外に賛成されてしまって。

ほっとしたような、拍子抜けしたような。
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