揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「姉ちゃんには、大翔みたいな奴がちょうどいいんだよ」


いつの間にか、克也も私達の近くに来ていて。

弟のくせに、そんな生意気な発言をしてきた。


「そういえばさ、克」


今日の事を報告するはずだったのを思い出し。

私は体の向きを克也に向け、そう改めて声を掛けた。


「な、何?」


改まった言い方が何か嫌な予感を抱かせるのか。

答える顔がかなり引きつっているのがおかしくて、つい笑いそうになってしまう。


「いろいろ心配掛けたけど、もう大丈夫だから」


篠原さんの事も、まどかさんの事も。

もう、ちゃんと解決したから。


「マジ?良かったじゃんっ」


克也は、まどかさんと大翔君との関係については知らないはずだから。

たぶん、篠原さんの事を言ってくれてるんだと思う。


「今度、家に連れてきなさいよ。お父さんにも、ちゃんと紹介しなきゃ」


「えっ?そんなっ、結婚するんじゃないんだから」


イマドキ、つき合うぐらいでお父さんに報告なんてしなくていいと思うし。

大翔君もそういうの嫌だろうし……。
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