揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「土曜は試合だからさ、日曜に呼べばいいじゃん」


他人事だからか、そこまで深く考えていないからなのか。

克也は簡単にそんな事を言ってのけた。


「でもねっ、一応大翔君の都合も聞いてみないと……」


まどかさんと先輩の事もあるし。

密かにニューヨークに行く手配もしていたみたいだし。


しばらくは、バタバタしちゃうんじゃないのかな?


「じゃあ、大翔君がオッケーだったら連れてきてよ?」


お母さんの言葉と眼力は、どこか有無を言わせない感じがあって。


「……分かった」


渋々ながらも、そう答えるしかなかった。


「そうと決まったら、日曜日のメニュー考えとかないと。お昼、うちで一緒に食べるわよね?」


嫌だと言っても、きっとそれは通らないだろうから。

頷くしかないじゃない。


「寿司食いたいっ。寿司、寿司っっ」


「じゃあ、お寿司とチキンにしましょうか。サンドイッチも欲しいわよね」


「俺、ツナサンドは外せないからっ」


主役そっちのけで盛り上がる母子を横目で見つつ、私は軽く溜息を漏らした。


こっちは、大翔君が何て言うか心配で仕方ないっていうのに……。


とりあえず、土曜に一緒に克也達の試合を観に行くから。

その時に訊いてみよう。


前日に訊いたら、もしかして予定が入ってるかもしれないしね。
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