揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「そっ、そういえば、この間はあれから3人で何を話したの?」


何だか分が悪くなった気がして、私は慌てて話題を変えてみた。


のぼせないようにと、温めのお湯にしたものの。

恥ずかしさからきているのか、だんだんと身体が火照っているのが分かる。


「この間?あのオッサンとって事?」


「オッサンって……。まだ、先輩19歳だから」


彼からしたら、それでも十分オッサンなのかもしれないけど。

なんか、先輩に同情してしまう。


「とりあえず、2人はヨリ戻すらしいよ。俺の事も、これからはちゃんと息子として接するってまどかさんも言ってくれたし」


「そっかぁ、良かったね」


まどかさんというシガラミから、やっと彼は解き放たれる事ができるんだ。

これからは普通の小学生として、自分のやりたいように生きていけるんだね。


「ニューヨークも行かなくて良くなったし。まぁ、あのオッサンのおかげなのかもな」


「もし…さ、弘登先輩とまどかさんが結婚したら、先輩は大翔のお義父さんって事?」


「まぁ、そうなるだろうね」


先輩とまどかさんと大翔君。

あぁ、何て若くて美形な家族なのっっ。


自分の両親と弟の姿と、未来の神崎家の姿を頭の中で比べ。

自然と重い溜息を吐いてしまっていた。


そうよね、自分の家族と比べちゃいけないわよね。
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