揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦

chapter5

結局、まどかさんが夏物の服が欲しいと言い出して。

俺達は買い物をする事になった。


今は、映画館と併設している例のショッピングモールに来ている。





「大翔も、欲しいモノあったら何でも言ってよ」


既にいくつも服や装飾品を買った彼女の紙袋が、カートいっぱいに詰められている。

それを牽きながら、俺は欲しいモノが無いかと考えていた。


グローブは買ってもらったし、パットはまだ使えるし。

しいて言えば、スパイクが少しきついぐらいかな……。


以前、由佳とバッタリ会ったスポーツ用品店。

また偶然会ってしまったらと思うと、まどかさんにスパイクの事を言うのが躊躇われる。


「歩くの疲れちゃったわね。ちょっとお茶でもする?」


11時過ぎに車で来て、すぐにパスタの店でランチをして。

気付けば、もうすぐ3時になる。


「そこにスタバあったけど、行く?」


さっき通り過ぎた所に、結構広いスタバがあったのを思い出して。

時間的に混んでるかもしれないけれど、そう提案してみた。


「そうね、キャラメルマキアート飲みたいな」


そして、今来た道を戻ろうと2人が振り返った時だった。


「まどか?」


背後から、突然若い男の声が聞こえてきた。
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