揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「べ、別にっ。ついて行けばいいじゃんっ」


可愛くないと思いつつ。

キュンってしてる自分を悟られたくなくて、ついこんな返事をしてしまう。


我ながら…素直じゃないと思う。


「いいの?ついて行っても」


そんな私への反撃なのか、歩みを止めて彼はそう尋ねてきて。

意地悪そうに上がる口角が何だか余裕を感じさせ、どうにもカチンとくる。


「……い、いいよっ。別にっっ」


何だか後に引けなくなって、意地を張ってそう言い返す。


でも…彼の方がやっぱり上手で。

そんな私を見ながら、何か言いたげな顔つきでニヤニヤしている。


「ホント、素直じゃないね」


「そっ、そんな事ないよっっ」


「遅れた理由聞かせてくれたら、素直じゃないのも許してあげるけど?」


この、上からモノを言う態度が気になりつつも。

遅れて来た私は、どうにも立場が弱くて。


素直に…言うしかなかった。


「昨夜、なかなか寝つけなかったの。起きたら9時半で、そっから慌ててシャワー浴びて、洋服もなかなか決まらなくて……」


紅潮している顔を見られないように、わざと顔を背け。

とりあえず、遅れた言い訳を並べていった。


でも、この繋がれたままの左手から全てが伝わってしまってる気がする。

私が…このデートを楽しみにしてたんだって事も。
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