揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦

chapter6

結局、昨日は違うカフェに行って。

由佳とまどかさんは、どうにか鉢合わせせずに済んだ。


だけど、俺の頭の中はずっとモヤモヤしていて。


どうしてバイトの事を俺に言わなかったんだろうか?とか。

あの男とどんな話してたんだ?とか。


気になりだしたら、なんだかずっと上の空で。

まどかさんが、熱でもあるんじゃないか?って心配してたっけ……。









「聞いてるか?大翔」


「えっ?あぁ、悪い」


今は、部活中。


気が付いたら、目の前でチームメイトの春也が訝しげに俺を見ていた。


「その分だと話聞いてないだろ?珍しいな、お前がぼーっとすんの」


「……ごめん。で、何だった?」


春也はチームのエースで、頼れるピッチャー。

優しい性格で、揉め事があったりすると上手い具合にフォローを入れてくれる。


そんな春也に、給水に行く途中で呼び止められたんだっていう事を。

やっと今、思い出した。


「だから、水沢だよ。マネージャー辞めたってホント?」


「らしいな」


梨香がマネージャーを辞めた事は、知っていた。

監督に、『水沢と喧嘩でもしたのか?』って先週訊かれたし。


喧嘩したといえば、したんだよな。
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