揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「あのね、沙希」


ちょうどいい機会なのかもしれない。

沙希に、ちゃんと話をしよう。


高崎君の事も、大翔君の事も。


「ん?何?」


鞄から定期を出しながら、彼女はそう返事をした。


私達の高校は、今から行くショッピングモールより向こうにあるから。

あそこまでは定期で行ける。


私も、ちゃっかり定期を用意していた。


そして改札に向かいながら。

私は緊張に包まれつつ、思い切って沙希に伝える事にした。


「私ね、高崎君と別れたから」


「えっ!?何でっ?」


予想通りの反応だけど、私はかなり心臓をドキドキとさせていた。

だって、親友である彼女がどう思うか…とても不安だったんだ。


「私、ホントは他に好きな人がいるの」


「えっ、誰っ?私の知ってる人?」


とりあえず首を横に振り、私は改札をくぐった。

沙希も慌ててついて来る。


「じゃあ、その人とつき合ってるの?一緒の学校の人?年は?」


立て続けに訊かれ、内心かなりバクバクになっていた。

だって、その≪年≫に問題があるんだから……。
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