揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「が、学校は違うのっ。その…年下なんだ」


「由佳が年下!?何か、あり得ないんだけどっ」


納得いかないって感じで、沙希はそう言ってきた。

冷や汗が出てくるのを感じながら、私はホームに向かって歩いて行く。


「そ、そうかな?」


「そうだよ!だって、由佳みたいなタイプは絶対年上がいいって。まぁ、せめて同い年でもしっかりしてる子とか?年下じゃ頼りないじゃんっ」


「そんな事ないよっ。大翔君は、すごくしっかりしてるもんっ」


思わず、言い返す言葉に力が入ってしまった。

おまけに、彼の名前まで言っちゃってるし。


「大翔って言うんだ、その子。いくつ下なの?」


「……沙希は、いくつ下までならOK?」


「私?私は、基本上がいいんだけど。せめて、1つかな?だって、そうじゃないと中学生になっちゃうじゃん。って…もしかして、あんた中学生とつき合ってんの!?」


驚いた顔で尋ねる彼女に、私は慌てて両手を横に振り返した。


「ちっ、違うよっ。中学生じゃないからっっ」


だって、大翔君は小学生だし。


さすがに、それはちょっと言えなくて。

まぁ、間違った事は言ってないよね……?
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