揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「しっかし、何で言ってくれなかったの?高崎君の事も、その子の事も」


「……ごめんね」


そう謝った私の声は、ホームに響くアナウンスに簡単にかき消されてしまった。

私達の乗る電車が、もうすぐ到着するらしい。


「今度、紹介してよ?その大翔って子」


アナウンスに負けないように、沙希は私の耳元でそう告げて。

その言葉に少しドキドキしながらも、私は黙って頷き返した。


大翔君が小学生だって知ったら、沙希はどうするかな?

やっぱり、反対…されるのかな?


大切な友達だからこそ、否定されるのが怖くて。


年なんか関係ないって思ってはいるものの。

やっぱりどこかで、常識だとか世間体だとか気にしてしまう自分がいる。


それに、大翔君だってお母さんに私の事を隠してるし。


あんなに≪愛してる≫って言ってくれてても。

やっぱり、私とつき合う事を恥ずかしいって心のどこかで思ってるんだよ。


大翔君は、ホントに私を好きでいてくれるのかな?


そんな疑心を抱えながら、ホームに着いた電車へと沙希と共に乗り込んだ。
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