揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「あれっ?図書館で会った子じゃん!」


そう声をかけられるまで、私は全然気がつかなくて。


ちらっと視線を向けると。

私の目の前にいたのは、図書館で本を取ってくれた先輩だった。


「あっ、昨日はどうも……」


仕事が大変で、ホント言うと少し心細かったから。


だから…先輩の顔を見た時は、ちょっとホッとしてしまったんだ。


「へぇ、ここでバイトしてたんだ?」


私の前で商品を待っている先輩は、笑顔でそう話しかけてくれた。

人懐っこい感じの笑顔が、張り詰めていた私の心を少し和らげてくれる。


「今日だけ、臨時なんです」


手元に運ばれてきた商品に蓋を閉めながら、私はそう答えた。

カウンターの上に差し出し、


「コーヒーフラペチーノのトール、お待たせ致しました」


と声をかけると、先輩はあの大きな手でひょいっと取り上げた。


「バイト、何時まで?」


「えっ?」


「いろいろ学校の話とかしたいからさ、また後で来るよ。何時上がり?」
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