揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「5時ですけど……」


どうしようかと思ったけど、とりあえず正直に答えた。

遅番の人が4時から来てくれるらしいんで、沙希と5時に上がる事になっている。


「じゃあ、5時頃にまた来るよ」


そう言うと、爽やかな笑顔を浮かべて先輩は列から外れて。


「あっ、ありがとうございましたっ」


慌てて声をかける私に軽く右手を上げると、そのまま店を出て行ってしまった。


沙希の事言い忘れちゃったけど、一緒で良かったのかな?


そんな事を思いながら、次の商品に蓋を閉める。


諒斗と真吾の先輩だって言ってたから、いろいろな話が聞けるかもしれない。

純粋に、そう思っただけで。


浮気行為だとか、大翔君を裏切るだとか。


そんな気持ちは、これっぽっちも私の中には無かったんだ。
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