揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「そうやって、いろんな女の子に声掛けてるんですか?」


だけど、沙希の態度は変わらない。

何だか、先輩に対してひどく嫌悪感を抱いてるような気がする。


「俺、そんな軽い奴に思われてる?何か言ってやってよ、純平」


「まぁ、今のやりとりは誤解されても仕方ないよな」


冗談っぽく縋る先輩を一笑すると。

テーブルを拭き終えた純平君は、他のテーブルへと移動してしまった。


純平君は年の割にとてもしっかりしてて、沙希にはもちろんだけど、私や他の子にもすごく親切にしてくれる。

その純平君の友達なら、先輩の事も信用していいのかもしれない。


私はそう思っていたけれど、沙希はイマイチ納得できないらしくて。


「もう帰ろ?由佳っ」


そう言って、私の腕を引っ張ってきた。


「えっ?でも……」


先輩と話する約束が……。


一方的な約束とはいえ、こうして待っていてくれたんだから。

無視して帰るなんてできないよ。


どうしようかと、私はチラッと視線を先輩に向けた。

その時だった。
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