揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「じゃあ、ここで少し話していったら?」


私達のやり取りを黙って見ていた店長さんが、私と沙希の背中を同時にポンッと手で叩いた。


「今なら席も空いてるし、仁藤君も私もいるし。それでどうかな?安田さん」


背中に手を当てたまま、店長さんは笑顔で優しく沙希に声をかけてくれて。

その笑顔に、渋っていた沙希の表情が少し和らいだ。


「30分したら…由佳は連れて帰りますから」


そして釘を刺すように、先輩を上目使いに見上げる。


「OK、30分ね。じゃあ、俺がおごるから好きなの頼んでよ」


「えっ?いいですよっ、自分で頼みますからっ」


慌てて私が両手をブンブンッて横に振ったら、先輩は困ったような顔をして、


「それぐらいさせてよ?先輩命令ってことで。それでいいですよね?店長さん」


と、今度は店長さんに縋るように尋ねた。

その言い方が可愛くて、どうにも憎めない。


沙希は、何だか嫌がってるみたいだけどね……。


結局、私と沙希と先輩の3人で、そのままスタバで話をする事になった。
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