揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦
「えっ?俺、何か変な事言った?」


思い切り地雷を踏んだ事に気付いていない諒斗は。

ただならぬ雰囲気に、オロオロしてしまっていた。


「弘登がどうしたって……?」


「えっ?いや、その、昨日電話かかってきてさ……」


いつもは俺様な諒斗も、この沙希の迫力には勝てないようで。

答える言葉が、何だかしどろもどろになっている。


「さ、沙希っ。諒斗、怯えてるからっっ」


慌ててフォローに入ったものの、沙希の勢いはますます増していって。


「あんたに電話かけて、弘登が何て言ってきたのよっ!?」


「きょ、今日バスケ部に顔出すから、由佳にも体育館に来るように伝えてくれって……」


「えっ?」


驚きの声を上げたのは、私。

だって、今日学校に来るなんて先輩一言も言ってなかったし。


「何で由佳が行かなきゃいけないのよっ?」


「俺が知るかよっ。訊いたって、弘登先輩は『内緒』って言って教えてくれねぇし」


「……いよいよ強行手段に出たってわけね」


そう言って沙希は、腕を組んだまま何か考え込み始めた。
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